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2)「鹿児島−屋久島」航路における計測
鹿児島〜屋久島航路のフェリーGにおいて生理計測および環境要因の計測を行った。実船実験の主日的は動揺病の発生メカニズムの解明にあり、この主要囚となる動揺刺激と人体の生理的反応の関係を調べることであるが、副要因となる環境要因について合せて計測を行った。動揺刺激の計測は加速度計で行い、生理的反応は1航海に1名の被験者に対する心電図と脳波の連続記録に伐り、この方法については大阪府立大学細田研究室の計測マニュアルに従って行った。なお、これ等の収録データの解析は大阪府立大学細田研究室において行われた。
イ. 旅客船と航路
計測は船長107m、総トン数3392トンのフェリーGで行い、その一般配置図と主要目を図2.3.2−2−1に示す。木船は平成5年4月に竣二[した比較的新しい船であり、内部・外部の意匠デザイン上の配慮がなされ、旅客用施設については材質、色調等落着いた高級感が感じられるよう考慮されていた。
航路は鹿児島〜屋久島宮の浦港(上屋久町)の離島航路(図2.3.2−2−2参照のこと)であり、春、夏、秋季には観光客も多いが、冬季は殆んど島民と商用客で占められ、乗客船も少ない。船体の動揺は鹿児島湾(錦江湾)内および種子島の島影にあたる部分では小さく、航海時の3時州50分の内、佐多岬から30海里までの1時間半程度が揺れるのみであった。木船装備のフィンスタビライザーは効きが良く、波高1.5m種皮まではローリングは殆んど舞った。
ロ. 計測日時と海象状態
第1回計測(鹿児島→屋久島)
1995年2月11日 8:45〜12:30
生理計測場所:甲板娯楽室(B)
海象条件:波:穏やか(波高0.5〜1.0m)
風:西、 10m/sec程度
走航状態:船体動揺は小さい
第2回計測(屋久島→鹿児島)
1995年2月12日 13:20〜17:10
生理計測場所:B甲板 娯楽室(B)
海象条件:波:やや悪い(波高2.0m)
風:南東、最大20m/sec
走航状態:追い波のため出会い周期が長く(20秒前後)揺れる割には不快感が少ない
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